K-SOLUTIONについて

K-SOLUTIONは産業用インクジェットアプリケーションのさらなるマーケット展開を目的とし、2012年に設立されました。周知のように、印刷手法としてはオフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等、製品ターゲット・生産目的に応じた様々な技術が存在します。中でもインクジェット印刷は小型・安価な家庭用・オフィス用プリンターを始め、業務用ワイドフォーマットプリンタやRoll to Roll高速プリンタへの普及が進み、従来のアナログ印刷手法を代替えする技術として世界展開が進んでいます。

インクジェット印刷は従来印刷法のような“版”や“マスキング”による方式ではなく、印刷対象はすべて画像でコントロールするため、印刷対象物の変更に伴う対応が極めて速くかつフレキシブルになります。また、インクジェットヘッド当たり数千個配置されるノズルから直接インク(液体)を吐出(噴射)し、個々のノズルからの射出量を自由にコントロールすることで印刷対象の膜厚をミクロンレベルで制御することが可能になります。これらの技術的メリットを背景にインクジェット技術は印刷用途のみならず、様々な産業用途・モノづくり工程への応用検討が進んでいます。

技術的ハードルの存在

上述の通りインクジェット技術には様々なメリットがあり日々多種多様なアプリケーションへの採用検討が進んでいます。一方、その高精細な吐出性能を“安定した”プロセスとして確立するためのハードルが多々存在します。ミクロンレベルのノズル穴から数pL(ピコリットル)という少量液滴を高周波で吐出する技術は対象インクの開発・最適化検討を始め、プリントヘッドを含めたデバイスの電気制御系やインク供給性能など、外的要因に左右されない高レベルでの長期運用安定性が求められ、特に産業用途・モノづくり工程においてはその要求ハードルがより高くなり、インクジェット技術の量産工程への採用を困難にするケースが少なくありません。

さらに、インクジェット印刷に限らず材料(インク)がUV硬化による塗膜形成の場合、UV硬化条件の確立も生産物の仕上がり品質を大きく左右するファクタとなります。特に、環境性・省エネ性から導入事例の進むUV-LED硬化を前提とする場合、その発光波長特性の制約から最適な硬化条件の確立に多大な時間を要することも多くの事例で発生しており、プロジェクトの成功を阻む要素となり得ます。

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インクジェット開発におけるコスト懸念:
開発ツールの準備

印刷機向け・産業生産プロセス向け問わず、新規インクジェット開発では通常以下のプロセスが発生します。

  1. 目的に合致するプリントヘッドの調査・選定
  2. インク(液)の開発・最適化検討
  3. UV硬化検証(UVプロセスの場合)
  4. インクの吐出安定化検証
  5. 実印刷(塗布)による評価試験
  6. 生産条件による長期運転(印刷)検証

これらの項目はユーザー様で実施する最低限の開発項目となります。一方、それぞれの項目を実行するためには通常周辺ツールの導入が必要となります。

  1. プリントヘッド駆動用基板・印刷ソフトウェア
  2. インク供給システム
  3. UV硬化システム(UVプロセスの場合)
  4. 液滴解析装置
  5. 印刷評価装置
  6. 生産機(印刷機)の準備・選定
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産業用インクジェットのプロセス開発における技術的難易度は、開発過程において使用する周辺ツールの完成度や性能にも大きく影響されます。また、周辺ツールそのものを“開発”するケースも多々あり、インクジェット開発全体プロセスの時間・コストにマイナスの影響を与える結果となります。
K-SOLUTIONはその前身となるインクジェット開発事業での経験と合わせ、グローバル視点に立ったコンセプトに基づき、既に標準化された、かつグローバルな実績が豊富な最先端インクジェット開発用周辺ツールの日本国内展開を主な事業としています。

さらにK-SOLUTIONは2022年より、長年のパートナー会社である各UV照射機メーカー(独IST社および英国IT社)の日本国内総代理店として環境性・省エネ性に優れる最新UV技術の紹介・サポートを強化し、お客様の材料・印刷条件に最適なUV乾燥装置の提案も開始しています。

個々のステップで必要となる開発ツールはあくまで“必要最低限”の準備品であり、本来多大な時間・コストをかけるステップではありません。新規インクジェット開発に従事されるエンジニアの方々が本来実行すべき開発要素に可能な限り注力できるよう、過去の様々な事例を最大限シェアすることで無駄のない、短期間かつ低コストで導入可能な多々周辺ツールをご提案致します。

株式会社K-SOLUTION
代表取締役 勝田 康